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誰もいない部屋に庵奈は一人、机の上の写真を眺めていた。
家族との楽しい思い出。もうあの頃には戻れない。
決意を胸に、家から出た。向かう先は、学校。日常生活に戻り、普段の生活を営む。
だが、普段の日常生活も悪夢に侵食されている。どっちにしろ、逃げられない定めである。
「さて、今日も元気良く、行きますか!」
ガレージから自転車を取り出すと、家の前の坂を下っていった。
大通りとぶつかると、黒子がいた。黒子は一人で、淋しそうに歩いていた。
それを見兼ねた庵奈は、黒子の隣に並び、声をかけた。
「おはよ。一緒に行ってもいい?」
黒子はびくっと、肩が震えた。突然話かけられて、びっくりしたのだ。
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