第二部 七話 夢ノ中デ

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ジリジリと焼けるような日差しの中、国道を二人で歩いていた。似合わない二人は、全てに浮いていた。 「ねぇ、名前は何て言うの?」 「え…わたしの名前は……府中黒子…」 「へぇー。私は庵奈、よろしくね」 庵奈は笑うと、自転車を押しながら走った。 昨日の夜の庵奈とはまた違っていた。これが本当の庵奈なのだろうか。 しかしそれは黒子にとっては明るすぎたのだ。黒子は、闇に棲<ス>まう者だからだ。 「…あの」 「何?」 「京極堂って、知っていますか?」
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