24人が本棚に入れています
本棚に追加
ジリジリと焼けるような日差しの中、国道を二人で歩いていた。似合わない二人は、全てに浮いていた。
「ねぇ、名前は何て言うの?」
「え…わたしの名前は……府中黒子…」
「へぇー。私は庵奈、よろしくね」
庵奈は笑うと、自転車を押しながら走った。
昨日の夜の庵奈とはまた違っていた。これが本当の庵奈なのだろうか。
しかしそれは黒子にとっては明るすぎたのだ。黒子は、闇に棲<ス>まう者だからだ。
「…あの」
「何?」
「京極堂って、知っていますか?」
最初のコメントを投稿しよう!