八話 老いた世

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夜、ベッドの中で一人で考えていた。自分の世界はどこだろうと。 ──忘れ去っていた記憶が、甦ってくる。 ………… …… … 赤い 死体 全てが 消え 血塗れ 妹 腕がもげた 両親 僕は知っていた。 …はずだった。 ベッドの中で真っ暗な天井を眺め、存在理由を求めた。それはただの現実逃避だってことはわかっている。 だけど、求めた。 「自問自答、自問他答……そう求めるのか?」 ふと、闇の中から気配があった。 起き上がって見ると、見知らぬ少女が立っていた。 僕は一瞬、親戚だと思った。だが、こんな子は知らない。 流れるような黒髪は闇に同化し、存在自体が闇のようだった。 「……君は、誰?」 「妾は──妖姫じゃ」 これが妖姫との最初の出会いである。これがのちに僕の人生を大きく変える事になる。
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