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夜、ベッドの中で一人で考えていた。自分の世界はどこだろうと。
──忘れ去っていた記憶が、甦ってくる。
…………
……
…
赤い 死体 全てが 消え
血塗れ 妹 腕がもげた
両親
僕は知っていた。
…はずだった。
ベッドの中で真っ暗な天井を眺め、存在理由を求めた。それはただの現実逃避だってことはわかっている。
だけど、求めた。
「自問自答、自問他答……そう求めるのか?」
ふと、闇の中から気配があった。
起き上がって見ると、見知らぬ少女が立っていた。
僕は一瞬、親戚だと思った。だが、こんな子は知らない。
流れるような黒髪は闇に同化し、存在自体が闇のようだった。
「……君は、誰?」
「妾は──妖姫じゃ」
これが妖姫との最初の出会いである。これがのちに僕の人生を大きく変える事になる。
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