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僕は妖姫の話を毎日聞いた。僕が世界を拒むのは、“悪夢”と呼ばれるものの影響らしい。
妖姫は【悪夢の理解者】らしい。
「─妾は一度でも良いから、でぇとと言うものをしてみたい」
病室から外を眺めていた妖姫は、呟いた。その顔はとても切ないように見えた。
僕は夏が終わった空を見た。
まだ傷は痛むが、それ以外は普通だった。早く退院して、外で遊びたかった。
妖姫はテレビの電源を入れた。
テレビからは歌が流れてきた。それはとても切なく、励まされる気がした。
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