八話 老いた世

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やがて、学校へと行くことにした。 前から友人だった新火が、僕に何度も「大丈夫か?」と、尋ねる。 …正直、鬱陶しかった。だが、不信感を抱かせないように愛想を振りまいた。 最初は新火を使おうと思ったが、こいつは“悪夢”の被害を受けていた。そうなれば、尚更駄目だ。 迷っていた僕に、獲物がかかった。 その子は同じクラスの、府中黒子と言う奴だ。 こいつはいけると思った。 だから鎌をかけた。 最初は優しく声をかけ、相手の警戒心を解く。そうすれば簡単に操れる。 本当に愚かで、愉快でしょうがない。 嗚呼、神様。こんな僕を許して下さい。
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