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それから数年経ち、悪夢は巨大化した。それは村全体を包み込み、人々を苦しめた。
そんな時、慶輔の耳に恐ろしい話が飛び込んできた。
それは──転入生がきたことだった。
慶輔は悪夢の力で、この村を下界と閉ざした。だから、転入生などが入ってくるはずもないのだ。
そして、彼女の元に悪夢を送り込んだ。
まんまとはまり、彼女は悪夢に呑まれた。
全ては順調に事が運んでいった──はずだった。
それはほんの小さなミスだった。誰も気づかいほどの、小さなミスだった。
そう。閉じ込めたはずの彼女が、悪夢空間から脱出してしまったことだ。
これには、本当に焦った。
自分の小さなミスがここまで、大きく影響するとは思ってもみなかったのだ。
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