九話 終わり

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慶輔はその光を見て、表情を歪めた。額には薄らと汗が滲み出ていた。 どうやら、千寿の呪文が聞いているようだ。 庵奈は立ち上がると、周りを見渡した。 多くの家が倒壊し、木々が倒れていた。遠くから、人々の救助を求める声が聞こえる。 「こんなのって……」 ただ呆然と、立ち尽くしていた。 その時、千寿目がけて木が倒れてくるのを見た。 「…千寿さん!! 横…!」 「はっ…!」 呪文に必死だった千寿は、庵奈の声で我に返った。倒れてくる木を後ろに避けて、何とかぶつかるのを避けられた。 木の反対側、慶輔は静かに笑みを浮かべた。 呪文が途切れたことで、悪夢を呼び出せるようになった。 「さ、次は僕から行くよ」
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