第一部 一話 始まり

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こちらに振り返ったお母さんの顔は、血だらけだった。お皿を持ちながら、ゆっくりと近づく。 「いっ…や……、来ないで!」 がた、と父さんは立ち上がり、逃げ道を塞ぐ。 やはり父さんの顔も血だらけで、原型を止めなかった。 庵奈はふと、お母さんが持っているお皿に目が行った。 「─────!!」 お皿には人の目玉らしきものが、肉と白い歯と一緒に炒められていた。それに絡まっているソースは彼らの血だろう。
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