第一部 一話 始まり

22/23

24人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
目から涙が流れ出る。それは頬を伝い、下へと落ちる。 目の前に広がる非現実。自分の両親はもう、人ではないと言う─孤独。逃げられないと言う─恐怖。 心はもう、どうしようもないくらい崩れていた。 最後に一言だけ、言ってほしいことがある。それは───、 「これは夢なんだ」 と────。 でも、それは叶わなかった。 両親は長い手を伸ばし、庵奈に襲いかかる。爛れた口が大きく開いて、食らう。 ──────
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加