第一部 一話 始まり

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苳村の小さな分校。そこでは、朝の学活が始まっていた。 一番窓側の席以外は全員出席していた。 教卓の前で先生は生徒の名前を呼んでいた。 「転入生を紹介しようと思うが、昨日から行方不明らしい。ま、見つかり次第紹介する」 真ん中の列の一番後ろにはセーラー服を着た、女子高生が座っていた。だが、誰もその存在には気付かなかった。 ……ただ、一部例外を抜かして。 「はびこる闇を人はこう呼ぶ───『悪夢』と」 少女はくすり、と嗤うと波紋を描きながら消えた。 それが夢のように───── 第一話『始まり』─了
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