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妖姫は暗い中でにやりと嗤い、光の中にその姿を現した。
白い着物を身に纏い、黒き闇のような髪を束ねている。身体のあちらこちらに札が貼られており、まるで人ではないようだ。
「ふふ、わらわに何の用じゃ?」
「けっ、わかっているくせに…」
「くっくっくっ。わらわはこれに関しては手を一切、出しておらぬわ。
…勘違いもいいとこよ」
「ごまかすな! てめえがやったんだろぉ!?」
新火は妖姫の胸ぐらを掴んだ。
それを見た千寿は慌てて止めに入った。
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