二話 言言─ゲンゲン─

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妖姫は暗い中でにやりと嗤い、光の中にその姿を現した。 白い着物を身に纏い、黒き闇のような髪を束ねている。身体のあちらこちらに札が貼られており、まるで人ではないようだ。 「ふふ、わらわに何の用じゃ?」 「けっ、わかっているくせに…」 「くっくっくっ。わらわはこれに関しては手を一切、出しておらぬわ。 …勘違いもいいとこよ」 「ごまかすな! てめえがやったんだろぉ!?」 新火は妖姫の胸ぐらを掴んだ。 それを見た千寿は慌てて止めに入った。
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