第一部 一話 始まり

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そんなはびこる闇、無数の気配が散らばる。 ────ずり、 この部屋では絶対にありえない物音がした。それは何かを引き摺るような、いびつな物音。 目が覚めた。 ベッドから起き上がり、周りを見渡す。が、濃い闇に呑まれた部屋には何もない。 ──ずり、 今度はすぐ近くで音がした。 ベッドのすぐ脇──自分の左脇にいる。そいつはじっと、こちらを見ている。
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