二話 言言─ゲンゲン─
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「……ありがとよ」 新火はあまり納得がいかなかったが、これ以上聞くのはよした。 千寿とともに外に出ると、南京錠をかけて本堂に戻った。その帰りに『妖姫』について、話した。 「彼女──『妖姫』は、二年前にこの苳村にきた。最初は村の皆も快く接していたが、ある時事件が起きたんだ」 千寿は袖から狐の形をしたお面を取り出した。 「これは『魄狐面』だよ」 「は……く、狐…面?」
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