二話 言言─ゲンゲン─

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「………あの日…」 「ま、詳しいことは話せないけどね」 千寿は笑うと、仏間へ帰っていった。 さってゆく千寿に一礼をすると、家へと帰った。 「ただいま」 新火は靴を脱ぐと、さっさと自分の部屋に入っていった。 誰もいない家。かつて、『悪夢』に会い、崩壊してしまった。壊れた現実。 薄暗い部屋で、一人蹲る。 悲しいわけではない。狂ってしまった両親を見るのが、とても辛かった。
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