二話 言言─ゲンゲン─

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「……母さん、明かりをつけるよ」 新火は悲しそうに言うと、スイッチへと手をのばす。 影は激しく動いて、それを拒絶する。ずるずると、影を引き摺り、近づく。 新火はそれより早く、スイッチをつける。 明るくなった部屋に映し出されるのは、下半身を失った両親が床を這いずり回っている姿だった。引き摺った跡には血がべっとり、ついていた。 これが『悪夢』に冒されたものの結果だ。
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