二話 言言─ゲンゲン─

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色々考えた結果、友人に買ってくるように頼むしかなかった。 『プルプル……』 電話の向こうで応答を待つ音がする。 『……はい、北尾ですが』 「千寿、ちょうどよかった。ちょっくら、お使いを頼みたいんだが…いいか?」 『で、何を買ってくればいいのですか?』 受話器の向こうで半分、呆れたふうな声が聞こえた。 「なんでもいい。とにかく、買って来て欲しい」 『……はいはい』 受話器を置くと、雨戸の戸締まりを確認した。 外では激しい豪雨となり、夜を告げた。この中を買いに行く千寿のことを考えると、とても恐ろしかった。
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