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色々考えた結果、友人に買ってくるように頼むしかなかった。
『プルプル……』
電話の向こうで応答を待つ音がする。
『……はい、北尾ですが』
「千寿、ちょうどよかった。ちょっくら、お使いを頼みたいんだが…いいか?」
『で、何を買ってくればいいのですか?』
受話器の向こうで半分、呆れたふうな声が聞こえた。
「なんでもいい。とにかく、買って来て欲しい」
『……はいはい』
受話器を置くと、雨戸の戸締まりを確認した。
外では激しい豪雨となり、夜を告げた。この中を買いに行く千寿のことを考えると、とても恐ろしかった。
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