24人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
不気味に嗤うと、チェーンに手をかけた。そしてそれを握りしめると、強く引っ張った。
ドアとチェーンが激しく揺れて、チェーンが外れた。床にチェーンの残骸が散乱している。
新火はそれをただ、見ていた。自分ではどうすることもできず、入ってくるのを待っていただけだ。
妖姫はドアを静かに開けて、中に侵入した。手には大きな鉈が握られており、それが光に当たって鈍く光る。
「…あっ………あぁああああああぁぁあああああァァ!!」
新火はこの世とは思えぬ叫びで、身体へ警告した。
そんな新火をお構い無く妖姫は、リビングへと向かった。
リビングでは上半身だけの両親が妖姫をじっと、見つめていた。母親はこの突然の来訪者に、驚いて後退った。
「愚かね」
それを見た妖姫は、一言だけ言った。
最初のコメントを投稿しよう!