二話 言言─ゲンゲン─

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不気味に嗤うと、チェーンに手をかけた。そしてそれを握りしめると、強く引っ張った。 ドアとチェーンが激しく揺れて、チェーンが外れた。床にチェーンの残骸が散乱している。 新火はそれをただ、見ていた。自分ではどうすることもできず、入ってくるのを待っていただけだ。 妖姫はドアを静かに開けて、中に侵入した。手には大きな鉈が握られており、それが光に当たって鈍く光る。 「…あっ………あぁああああああぁぁあああああァァ!!」 新火はこの世とは思えぬ叫びで、身体へ警告した。 そんな新火をお構い無く妖姫は、リビングへと向かった。 リビングでは上半身だけの両親が妖姫をじっと、見つめていた。母親はこの突然の来訪者に、驚いて後退った。 「愚かね」 それを見た妖姫は、一言だけ言った。
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