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「うっ」
新火は必死で吐き気を抑え、目の前で斬殺される両親を見る。斬られる両親はとても醜く、憐れだった。
それでも、見なければならなかった。
斬られてもなお蠢く両親に、妖姫は全ての知り尽くす限りの方法で殺す。
斬殺、殴殺、刺殺絞殺撲殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺。
残酷な笑みを浮かべて、次々と殺す。自分の身体が返り血で汚れていることも知らずに。
新火は地獄を見ているような気分だった。
──ああ、これが夢でありますように。
小さい頃にも何回か願ったことである。──それが叶わないことだとしても。
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