三話 査定

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少女は楽しそうに言った。 これから起こる怪奇事件を予兆するかのように。 あれから一ヶ月がたった。村も次第に落ち着きを見せ、平和な『日常』に戻りつつある。 両親が妖姫に悪夢として喰われた新火や悪夢を理解した慶輔、何事もなかったクラスメイト──全てが元通りに戻った。 この一ヶ月間、悪夢と言う単語は一度も聞かなかった。 「────なあ、慶輔」 「うん?」 放課後、新火は慶輔のところへ行った。 「一ヶ月前に消えた奴いるだろ。覚えているか?」 「うん。その子がどうしたの?」 「…いや、別に。ただ、この一ヶ月前の悪夢は妖姫ではなく、別な誰かが起こしたものらしいんだ。 となると、このクラスあるいは村人の誰かだ」 「………考えすぎじゃない?」 「…そうだな。すまん」
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