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沈黙。
時計の針が動く音以外は何も聞こえない。静寂という空間で、二人の間に微妙な空気ができている。
茜に染まる教室はどことなく恐怖である。
「……………そろそろ帰るか」
沈黙の中、最初に口を開いたのは新火だった。
「………うん」
慶輔は頷いた。
茜に染まる教室を後にし、ひんやりとする廊下を歩く。窓は全て閉まっているが、どこからか風が感じられる。
分校から約ニキロ離れた神社前、道は二手に岐れていた。右側は新火の家がある旧市街地、左側は慶輔の家がある新市街地である。
二人はここで別れると、それぞれ自分の家に真っ直ぐ帰った。
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