三話 査定

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■ ??? (正面ゲート) 長ーく、長ーく、何かが揺れた。それは人型をせず、ただの影となっている。 赤い蟲のようなものが無数で壁に集っている。寄生虫のような歪な蟲は、蠢きはびこる。 少女は嗤う────。 「今見ている現実は歪んでいる。人はそれに気付かずに、これを現実という。 あああ、遥かに劣る憐れな旅人達よ、誉れなる暗黒の中で生きよ。全が、有する世界に眠れ。 ……妖姫、と呼ばれるこの私でさえ理解者の行動はわからないわ。 ふふ、楽しみね。ああ、楽しみ、楽しみ……愛しているわ。この歪みきった世界を、人を私はだぁいすきよ♪」
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