三話 査定

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「君は相変わらず憎たらしくいうな」 妖姫はうっすらと笑うと、闇の中へと消えていく。 赤い蟲たちは蠢きながら、ゆっくりと闇を赤に染める。その蟲の名はない。が、この世のものではないことがわかる。 ■ 苳村 生ぬるい風が夜を駆ける。人の気配がひとつもしない中、死体が横たわる。 死体があるのは村の外れの井戸のそばである。井戸の水は枯れ、草は刈られずに伸びきっている。 新火は慶輔とともに死体を見ていた。 身体は無惨に切り刻まれ、肉片は近くの草に飛び散っていた。死体の身体には赤い蟲らしきものが、無数に蠢いていた。 「うっ………」 新火は手で口を押さえ、吐き気を堪えた。
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