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慶輔と新火が死体を発見することになったのかは、つい二十分前に遡る。
新火は誰もいないリビングで、一人考え事をしていたときだった。
玄関に置いてある電話機が鳴り響いた。
「もしもし……」
『新火?』
「この声は慶輔か!?」
受話器の向こうから、慶輔の声が聞こえてきたのだ。
「珍しいな、お前から電話がくるなんて」
『ははは、そうだ今から村外れの井戸へいかない?』
「今からか?」
『うん。集合場所はバス停でね』
「冗談きついぜ」
電話を切ると、新火は急いで戸締まりを確認すると、家を出た。
村外れの井戸までは二十分ぐらいで着くが、道は舗装されていないところを歩くしか、行けない。
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