三話 査定

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電灯も少なく、人気がない細い道で二人の影が長く伸び、揺れる。悪夢に支配された闇に、二人は歩く。 恐ろしいくらい無音の空間で、小さな鈴の音が響き渡る。 チリーン────── その音は二人を誘うように近づきながら、遠く離れて行く。 二人はこの鈴の音こそ【悪夢】だと知っている。だからこそ、歩いて行く。…悪夢の誘いを受けながら。 「………着いたね」 「………ああ」
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