三話 査定

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悪夢が起こっている空間を『炯異空間<ケイイクウカン>』と言う。この空間の中では超自然現象が起こり、空間から逃げるのは無理に等しい。 だが、悪夢を打ち壊すことが出来る者のみ、この空間から脱出できる。 今彼らは悪夢を壊すことが出来るが、壊し方がわからないのだ。 「たく、数年前はどうやって脱出できたっけなー」 「……畏れを打ち壊すしかないんだよ。全ての畏れを断ち切り、夢から覚めるんだ」 「───夢から覚める」 新火は思い出していた。 数年前、家族が悪夢に喰われ、なかなかこの現実から覚めることができなかった。だが、「これは夢だ」といい、逃げ延びた。
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