四話 終わらぬ悪夢

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悪夢によって消えた佐々木 庵奈は、深い夢から覚めた。消えていたときの記憶は一切ない。 身体を起こすと薄暗い自分の部屋が見えた。どうやら自分の部屋にあるベッドで、寝ていたらしい。 まだあの時の惨劇が頭の中で、回っている。 顔がなく、歪な手。全てがグチャグチャになった、料理。 「……長い夢から覚めたんだ」 寝間着から制服に着替えると、下のリビングへ降りた。 リビングはしん、と静まり返り、両親の影も姿もない。つまり、これが現実だということがわかった。 「ふふ、相変わらず無様ね。悪夢は全てを呑みこむわ」 背後に気配があった。
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