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「お、桜か。あんたの親父どこにいるか、知らねーか?」
「えっと、確か裏の墓地にいるよ。…何か用でもあるの?」
「いや、別に……」
冬刃は目をそらせながら、困惑したように言った。その様子は他人から見れば、何かを隠しているように見える。
桜は箒を冬刃に預けると、千寿を呼びに行った。
数分後、身体中に葉っぱをつけた千寿がやってきた。
「はは、さっき裏で草むしりをしていたからね。で、何の用だい?」
「…この村にはびこる悪夢についてだ」
「……………」
一瞬だが、千寿の顔が曇ったのがわかった。
しかし、それが何を意味するのか、わからなかった。
「最近、連続とでも言っていいほど起きている。…何故か?
恐らく、悪夢の理解者が現れたんだろうな。そうではないと、悪夢の増加に説明がつかない」
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