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「…………」
「この手が一番手っ取り早いだろう」
「……これ、壊していいのか?」
「……………」
新火と冬刃はお互い沈黙した。壊してはまずいような空気になっていた。
だが、悪夢はまだこちらへと近づいてきている。どうやら、祠だけが壊れて、中の水晶は壊れていないようだ。
庵奈は祠の残骸をどかして、水晶を探した。
「……あった」
瓦礫の中に確かに水晶はあった。
薄紫の小さい水晶で、水をあしらった紋章が刻まれていた。
どうやらこれが封印の水晶らしい。
庵奈はそれを高く掲げて、地面に強く叩きつけた。
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