五話 集う光

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パリーン 水晶は綺麗に砕け散り、破片はキラキラと光っていた。薄紫色の破片は灰色の煙を立ち昇らせていた。 口裂け女の身体にピシッ、と亀裂が入り、硝子を割ったように割れた。しかし、破片は無く、悪夢の結界が壊れただけだった。 四人は曇り空を見上げた。嵐を招く雲は、悪夢を呼び続けた。 「………残りは十数ヶ所だ。今から行っても夜になるだけだ」 「うん。こんな夜は悪夢を呼びやすいからね」 「…明日にするの?」 しばしの沈黙。 「…どっちにしろ、時間の問題だ。早めに処理した方が先決だ」 新火はそう言うと、家の方向へ向かっていった。 ふと、立ち止まって溜め息を吐いた。 「……来るのか、来ないのか、はっきりしろ」 三人は顔を見合せると、庵奈に判断を任せた。 …ここで家に帰っても、悪夢が待っているだけだ。なら、私は… 「ここで立ち止まっていても、何にも始まらない。だから、行く!」 庵奈は拳に力を入れると、言った。 こうして四人は祠へと、向かった。
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