六話 有為天変

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ゾクッ…! (いる……! だが、間に合わない) 新火は素早く振り返ったが、視界は闇に覆われていた。 そう。奴らと戦う際に気を付けなければならないことがひとつだけ、ある。それは、“悪夢”を畏れてはいけない。 畏れた瞬間、悪夢の力は何倍にも膨れ上がる。“悪夢”は“畏れ”そのものだ。 新火は背後に忍び寄る悪夢に、畏れてしまった。 「う、あああぁぁあああああぁぁああああァァ!!」 新火の身体は脳天から真っ二つに引き裂かれ、右半分は穿り<ホジク>出された。見るからに残酷な死に方だ。 身体が裂かれる度に血は、祠に飛び散る。
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