1日目

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 授業間休憩。 「灰音。」 浅チャンと千早とのコントに疲れた 僕はグデーとだらしなく手足を投げ出し、 机に伏せていた。 『ん?』 急に呼ばれ姿勢はそのままで顔だけ上げると千早が苦笑いしながら僕の前に立っていた。 『ちーなに?』 「相変わらずお前は変わらないな。」 そんな事言われても僕は僕だし。 相変わらずと言うか数ヶ月で人間変わるわけがないじゃん。 「何だよその目は。」 『別に。』 潤チャンなら話さなくても良いから楽なのに。 特別話す事が有るわけでもなく、千早は僕の前の席の椅子に座った。 クラス内は皆席を立ち、新しい友達作りや去年一緒だった人に話しかけたりしていた。 千早が僕の席に来たように。 みんなまた同じクラスになれた事を喜び合ったり、 自己紹介したりと、 様々だが楽しそうに騒いでいた。 騒ぐ気持ちが分からない。 けど、 そんな中でも目を引いたのは、 中年のオッサンみたいな人と、 去年一緒だったジャッカル 桑原 と女みたいな男と糸目のおかっぱ。 女みたいな男は確か隣の席だったような…気がする? ってか、 オッサンって生徒?先生? 何歳だよ? ここ中学校ですが…。 何で制服着てるの? 『ちー。あの人達は?面白そうじゃない?』 見た目とか…。 ぷぷっ。 「おま、テニス部知らねーのかよ。」 テニス部? オッサンテニスするの? ジャッカルって何部? 陸上じゃないの? 『興味ない』 千早は僕の顔を見てため息を付いた。 失礼な奴め。 「いや、お前の方が失礼だから。」 デジャヴ。 「コレで3度目だからな?」 『そっか』 もう、気にすらしないな。 元々気にするタイプじゃなかったし。 いっか(笑) 『で、オッサン達テニス部なの?』 「おま、それ無理があるし。  真田にオッサンって…テニス部に興味あるのか!?」 へー。 オッサン真田って名前なんだ。 まぁどうせ覚えないけど。 オッサンはオッサンだもん。 『うん。』 僕は元々興味ない事は調べないたちだからね。 「面白そーだな。  お前が興味持つなんてな。」 そう千早が言うとちょうどチャイムが鳴った。 .
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