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10分休憩。
『うー。』
だるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるいだるい。
「香咲さん大丈夫かい?」
その声にへばっていた僕は首を捻り顔だけ声のする方へ向けた。
『ぁ、美少年。』
そう、僕に話かけてきたのは女みたいな男(…長いから美少年)。
「ふふ。君は面白いね。」
僕の美少年発言に美少年はふんわりと笑った。
『母さんみたい…(ポツリ』
そんな美少年を見て僕はいつも大らかで優しい母さんを思い浮かべてしまった。
「俺男だよ?」
うん。
分かってる…。
だけど…。
『似てる。頭撫でて…良い子にするから。』
どうしても今イギリスに居る母さんに見えて淋しくなった。
他人に普段なら甘えたりしないのに…
どうしても、母さんの面影と美少年を重ねてしまって仕方がない。
美少年は何も言わず僕の頭を優しく撫で始めた。
僕はどうしようもなく嬉しくて自分の腕に顔を埋もれさせた。
『ありがとうー美少年。もういいよ、じゅーぶん。』
補給完了。
そう言って笑うと美少年も手を離してくれた。
「ところで委員会…何にする?」
あ、忘れてた。
『んー決めかねてるなー。』
去年は風紀だったけどさして楽しくなかったし。
あとのは…あんまりしらないしー。
美少年はどこに入るんだろう?
『美少年は?』
美少年は少し困ったように微笑み、黒板を見つめていた。
「俺は去年美化をしていたから今年も美化にしようと思ってるんだけど…一緒にするかい?」
うーん。
美化かぁ…。
美少年が一緒なら…。
そう考えているとチャイムが鳴った。
つくづく今日はタイミングが良いような気がするのは僕だけ?
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