閉ざされた闇の衝動 ただ望む光の救済

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泣き疲れ、叫び疲れ、静まりかけた頭に今の状況を理解しようとするより先に、抱き締められた温もりがどんな状態かを解らせた。 ガバッと上体を起こし、視線の先にある叶の優しく見つめる眼にカッとなり全身が茹で蛸みたく赤くなるのを自覚した。 慌てて跳び跳ね、その身を放す。 見るつもりもなくても視界に入ってくる露になった胸元を目にして更に混乱に拍車をかける。 こんな状況でなければ普通の男ならいつまでも見ていたいおいしい状況なのだが、意識が覚醒してきたと思ったら抱き締められたり胸に顔を埋めて泣いていたり…ハッキリ言って恥ずかしすぎてまともに見れやしない。 照れ隠しに顔を背けてみるも状況がイマイチ掴めない。 視線を感じるその先にチラリと横目を向け、破かれた服が視界に入ると自分が何をしたのかぐらいは理解できた。 「その…ご、ごめん。」 流石にこの言葉を吐き出す頃には自分が悪い事をしたと表情を曇らせる。 なのに、叶は無言で顔を横に振っている。 大分落ち着いてきた頃を見計らって叶は服を整えてくるのに席を立つ。 戻ってくるまでには自分が黒いナニかに取り込まれて見失い、気付いた時には先程の状態になっていたと情報を纏めてみた。 鳴り出し震える携帯が考えを打ち破り、我が親からこの身に何が起きたのかを聞かされるついでに、女ができたのかと冷やかしの言葉を耳にする羽目にただ溜め息を漏らすしかなかった。
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