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「力の差がほぼ均衡している戦闘なら精神的に優位に立った方がいい。精神戦なのさ。「こんな奴に勝てるわけがない」って思わせることが第一条件。その為に日頃から精神統一を怠ってはいけない、近衛師団の基本だよ」 「…………」  近衛兵は変態発情少年のセクハラに耐えることで精神が鍛えられたりはしない。 「っふっふんふん。にしてもしーぼんの背中は落ち着くねー。あったかいし、いい匂い。全く、しーぼんも隅におけないよねっ!「人肌に興味ありません。俺は硬派でクールな人間です」なぁんて顔してなんとびっくり!しーぼん意外と人より体温高いんだよねぇ!これで近衛兵達が囁く「しーぼん抱き枕説」にも合点がいくってわけだ。よっ、ニクイねこの人肌飢え飢え魔王っ!」 「どう考えても飢えてるのはお前だろうがっ!─────それよりも待て、しーぼん抱き枕説って何だ」 「僕輩は膝枕がいいって押したんだけどねー」 「お前の嗜好は聞いてない」 「ああ、しーぼんは跪枕の方が良かったかな?くふふふ」 「…………」  睨み付ける詞梦。  にやにや笑う言霊夢。  とは言え、事の真相を追求したところでこの相手はのらりくらりと交わすだけだろう。ならば余計なセクハラ発言を煽る分、疲労感だけが募るというものである。  ………やれやれ、だ。  既にかなりの疲労感。  再び嘆息が出そうになり、片手で口を押さえる。特に意味は無いが、一日にそう何度も吐き出して気分のいいものでもない。
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