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─放課後。
私は忘れ物を取りに教室へ向かっている。時計の針は8時をすぎ、外はだいぶ陽が落ちていた。
「あれ?誰かいる…?」
薄暗い廊下に漏れる教室の明かりは、間違いなく自分のクラスのもの。
ガラララッ
「あ…?」
「ひ…っ」
ちなみに後者が私。
だって教室には、睨みをきかせた安西君がいたのだ。
「あぁ、なんだ。委員長か。」
「邪魔…したみたい、で、ごめんなさい…。」
とりあえず謝る私。
安西君は一人教室でなにをしているのだろうか。聞く勇気もない私は素早く荷物を机から引っ張りだし、再びドアへとむかう。
というか、私が委員長だとしっていたんだ。ちょっと意外。ホームルームとかなにも聞いていなさそうなイメージだったから…。
「…待てよ。」
「へ…っ?」
…私、
なんで安西君に呼びとめられてるんだろう。
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