No.01 バーチャルの『愛』

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  「絵美、ごめん。やっぱ、あたし無理みたい。仕事終わったら電話して。」 まだ仕事中の絵美のケータイは、留守電だった。 歩きながらメッセージを残し、電話を切った。 家に帰って、自分の部屋に直行する。 なにもしたくない。 気力が無い。 あたしはベッドに倒れ込み、天井をボーッと見つめていた。 不意に、母が部屋のドアをノックした。 「ルナちゃん、何かあったの?大丈夫?」 「なんも無い。ちょっとしんどいだけ。ごめんけど、寝るから。」 心配してくれる母に申し訳なく思いながら、そう返事をした。  
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