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ビジネスホテルの駐車場に車を停め、閑散としたロビーを抜けて、エレベーターに乗った。
5階で降り、足速に陽の部屋に向かった。
「遅くなってゴメンね。」
「オレはダイジョウブ。来てくれて、ありがとね♪」
陽は、あたしを抱きしめた。
彼の香りは、やっぱり、とても心地良くて‥。
あたしは目を閉じて、少しの間、抱きしめられたまま余韻に浸っていた。
陽が更にギュッと、あたしを抱きしめた時、左手に持った袋が音を立ててカサカサ揺れた。
「ね、ケーキ食べよ。コンビニのやけど、誕生日やから。」
あたしは陽に囁いた。
「え?マジで?」
「うん。買って来たっちゃ♪」
ショートケーキとプラスチックのフォーク、それから、アイスティーのペットボトルを袋から出して、あたしはテーブルに並べた。
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