No.27 オズの魔法使い

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  ビジネスホテルの駐車場に車を停め、閑散としたロビーを抜けて、エレベーターに乗った。 5階で降り、足速に陽の部屋に向かった。 「遅くなってゴメンね。」 「オレはダイジョウブ。来てくれて、ありがとね♪」 陽は、あたしを抱きしめた。 彼の香りは、やっぱり、とても心地良くて‥。 あたしは目を閉じて、少しの間、抱きしめられたまま余韻に浸っていた。 陽が更にギュッと、あたしを抱きしめた時、左手に持った袋が音を立ててカサカサ揺れた。 「ね、ケーキ食べよ。コンビニのやけど、誕生日やから。」 あたしは陽に囁いた。 「え?マジで?」 「うん。買って来たっちゃ♪」 ショートケーキとプラスチックのフォーク、それから、アイスティーのペットボトルを袋から出して、あたしはテーブルに並べた。  
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