―パラレルワールド―

旅立ち

暗闇の中だからなのか、どうしても凄く長い時間を運転している気になっていたが、実際の時間を見て、少し僕は安心した。

このトンネルがどこまで続くかなんてわからないけど、いまさら引き返すことも出来ない。

だったら先に進むしかない。

僕はゆっくりとアクセルを踏み込み、車を発進させる。暗い道の中でぶつけたりなんかしたら、たまったもんじゃない。

ヘッドライトの明かりだけを頼りに、ゆっくりと、だが確実に出口へと向かっているのは認識出来る。

別に窓を開けていた訳じゃないが、何となく風が流れて来るような感覚がする。