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いつも少女を1番に考え、暖め、叱り、笑い、喜ばせる父。 そんな父のおかげで、母がいない事に少女は、不満一つ漏らす事はありません。 父は貿易商を営み、家を留守にすることが多くありました。 独り家で過ごす時間は、少女に寂しさを思い出させます。 父も、その事には気づいていました。 しかし、暮らしを守るためには働かなければなりません。 「わたしが側に居れない時は、空のママに笑顔を見せておくれ。今日も君よ幸せに。」 少女を独り家に置くことに胸を裂かれながら、父は今日も船に乗ります。 「パパの無事がわたしの笑顔を作るのよ。今日も気をつけて。」 少女は寂しさを笑顔で隠します。
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