エピソード1

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・・だめだ、何も浮かばない。 私は、小さく溜め息を吐いた。 「・・うん。」 蓮さんが満足そうに笑った。 私が中学生だと知っている蓮さん。 私がいつもあの場所にいる事を知っているらしい蓮さん。 私が帰りたくない事を知っている蓮さん。 私がよく声を掛けられる事を知っている蓮さん。 私が、蓮さんと別れた後にあの場所に行こうと思っている事にも、気付いているはずだ。 蓮さんがファミレスの前で「はい、さようなら。」って出来る人じゃない事は私は分かっている。
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