エピソード1

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その間に私が声を掛けられる事は無かった。 でも、蓮さんは相変わらずいろんな人から声を掛けられていた。 時間が遅いせいかガラの悪い人が多かった。 その人達は、蓮さんと手を繋いでいる私を驚いたような表情で見ていた。 「ここで大丈夫か?」 「うん。蓮さん、ありがとう。」 「あぁ、気を付けて帰れよ。」 「うん。」 「じゃあな。」 蓮さんが私の手を放した。 温もりが離れた手から寂しさが広がっていく。
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