わたしのだよ

4/8
前へ
/37ページ
次へ
一呼吸おいて私は話し掛けた。 「先生」 「なに?」 「わたしの心臓は、こっちなんでしょ?」 わたしはしわしわの心臓を指差した。 先生は何も答えない。 「わたしの心臓が元気無いから、わたしはここにいるんだよね?」 わたしはわかってしまった。多分、わたしはこっちの心臓で、もう限界なんだ。 だから、新しい濃い赤の心臓に取り替えようとしてるんだ。 それか、心臓がいらない薬をもらうんだ。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加