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私はほっと胸を撫で下ろした。でもいつものドクンドクンが聞こえないのは、気持ちが悪かった。
「先生、私の心臓はどこ?」
「心臓ならここにあるよ」
先生が机に置いていた手を逆さにすると、先生と私の目の前に立体的な赤いハートがふたつ、宙に浮いてるのが見えた。
片方のハートはいびつで、しわしわで、元気が無さそう。
鼓動が弱くて、今にも止まりそうだった。
対してもう片方は、とてもしっかりと動いていて、色も綺麗だった。
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