絶望の理由

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「俺の……! 俺の番号は……!!」 掲示板に張り出されてある、受験者番号の並べられたポスターと、手にある自分の受験番号が書かれた紙とを何回も見合わせる。 1127 そんな四桁、とっくに覚えてるにも関わらず。 普段はやる気のない俺だが、この受験だけは真面目に取り組んだんだ。 毎日、毎日…馬鹿みたいに勉強しちゃってさ…… 時には、ストレスが溜まりすぎて、金を出してくれてる親にあたったりもしたっけか…… あん時の俺はどうしようもない程、バカヤロウだったぜ、まったく。 とにかく数え切れないほどの苦労を重ねてきて、ここまでやってきたんだ。 報われないなんて、想像したくもない。 そして、とうとう自分の受験番号の桁にまで迫っていく。 1124 1125 1126 1128 ………アレ? おかしいな。 ほんの一瞬だけ、視力が急激に落ちたんじゃ…… 思わず、ゴシゴシと目をこすってみる。 ……よし、視界良好! 再び行くぜ! 1124 1125 1126 1128 ……ん? もっかい、目こすってみる……? ………チクショオォォオォ!!!!  
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