ニ章【魔物狩り】

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『忘却の森』の入り口から西側へと奥に進んだ場所ではアルクが早々に魔物と遭遇し戦闘を始めていた。 「はあっ!」 アルクが気合いの一声と共に剣を流麗に振るうと、研ぎ澄まされた太刀筋から発生した斬撃が衝撃波となって魔物に襲い掛かる。 その強力な一撃を受け『イビルフラワー』と呼ばれる、赤く巨大な花弁の頭部と緑色の無数のツルが絡まった胴体を持つ肉食植物の魔物は大きく吹き飛ばされた。 (やったか?) アルクが一瞬動きを止めて魔物の様子を伺う。 だが、あれ程の強烈な斬撃を食らったにも関わらず、イビルフラワーは辛うじて起き上がると、花弁の中央にある牙の生えた口を大きく開いて威嚇し再び戦う意思を見せた。 「……まだ倒れないか」 アルクは一撃で仕留められなかった己の技の未熟さにやや苦笑を浮かべると、気を引き締め直し、地面を強く蹴って駆け出すとイビルフラワーとの距離を一気に詰める。 そして相手が反応する隙も与えず、すれ違い様に高速の剣技で斬り伏せた。 トドメの一撃を喰らい、イビルフラワーは遂に力尽き断末魔の奇声と共に崩れ落ちた。その体はみるみる光輝く緑色のエレメントへと変形していく。 「ふぅ」 アルクは息を吐いて剣を下ろすと、身を屈めて地面から掌サイズのエレメントを拾い上げた。
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