ニ章【魔物狩り】

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カティアの『異形の力』が初めて現れたのは、彼女とアルクが出会ってから数年が経った頃のことだった。 当時、とある行商人の一団と共に旅をしていた二人はある時、馬車の積み荷を狙った盗賊団の襲撃を受けたことがあった。 護衛の仕事をしていたアルクがたった一人で奮闘するものの、敵の数は多く徐々に追い込まれていった。そして戦いの最中、一瞬バランスを崩した彼の隙を突いて盗賊の一人が容赦なくナイフで斬りかかった。 行商人たちと共に馬車の中へと避難し戦況を見守っていたカティアは、今まさにアルクへと刃が振り下ろされそうになっている光景を目の当たりにし、我を忘れ無我夢中で手を伸ばした。 すると、彼女の手が一瞬眩く光った直後、無数の棘のついた植物のツルのようなものが何本も勢いよく伸びていきアルクを狙った盗賊を弾き飛ばす。 突如として彼女が発現させた常人ならざる能力を目にした盗賊たちは恐れをなし、何も盗らず一目散に逃げ去っていった。 後に残されたアルクは突然の出来事に呆気に取られ、ただ呆然とカティアのことを見つめていた。 カティアも自分の身に一体何が起こったのか理解できず、今はもう何事もなかったかのように元の状態に戻った自分の腕をしげしげと眺めていた━━
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