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「ヒロ兄!」
いつものように元気よく玄関のドアを開けた私の目に衝撃的なものが飛び込んできた。
私の目はソレに釘づけになってしばらくその場を動く事が出来なかったのを今でも覚えている。
ずっと仲良しだったイトコのヒロ兄の家に遊びに行った時だった。
ヒロ兄とは母方のイトコで家が近いこともあって、歳が離れていても私を可愛がってくれ昔からよく遊んでくれていた。
一人っ子のヒロ兄は昔から妹が欲しかったらしく、私を本当の妹のように可愛がってくれていた。
でも私は違っていた。
優しいヒロ兄がすごく好きで……
大好きで……
絶対に大きくなったらヒロ兄のお嫁さんになるんだって思っていた。
---願っていた。
それなのに私の目に飛び込んできたのは見慣れない女物の靴。
私には到底背伸びしても似合わないような高いピンヒールがソコにあった。
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