第1話 後輩

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高校二年生になった悟達には必然的に先輩という立場になる。 今まで、一番下の一年生から一つ上がって二年生になることは悟にとって、平社員から係長に昇進したようなものだった。 だからと言って、先輩という立場を使って後輩いじめをしようとは考えてもいなく、特に何もしない。 ちょっとした優越感に浸れる。 悟はこれだけで満足なのだ。 なんと小さい係長だろうか。 先生「今日はこれで終わりますが、明日から授業は少しずつ始まります。準備等を怠らないようにしましょう」 数人の生徒が軽く頷き、それを見て若々しい教師は微笑んだ。 その笑顔は、どこに行っても万人受けしそうな笑顔だった。 お決まりの挨拶をした後、四人は打ち合わせでもしたかのように、柚子の周りに集まった。 柚子「さて。この後どうする?」 柚子は楽しそうにそう聞いてきた。 このどうするは、何して遊ぶかを意味している。 悟「何でも良いな」 眞樹「同じく」 高菜「同じく」 柚子「それじゃあ決まんないじゃん」 柚子が肘を突き、呆れたような顔をしながらそう言った。 悟「そうは言われてもなぁ……」 眞樹「鬼ごっこしか思いつかないよね……」 悟「ごめん、賛同出来ない」
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