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そんな事を続けながら二年生になった時、友人に誘われ渋々部活に参加した時だった。
一年生がせっせとグラウンド整備をしていた。
その一年生が友人を見た途端、皆一斉に「こんにちは!」と大きな声で挨拶した。
友人はそれを軽く流し、一年生はグラウンド整備に戻った。
かっこいい……。
その時悟はそう思ったのだ。
それから、部活に少し参加したが他の同級生は格段に上手くなっていて、自分はお世辞でも上手いとは言えない程だった。
これじゃあ、皆の足を引っ張るだけ。そう思った悟はまた幽霊部員となった。
高校では部活に入ろうとしたが、運動部は今まで運動していなかった自分にはハード過ぎて挫折。
ならば文化部としたが自分に合う部活がなく、良いと思った部活に参加してみると、先輩が「今年の一年生は君だけだよ……」と言われ、翌日には行かなくなった。
そんなこんなで悟は、後輩に憧れながらも後輩と関わりを持てずにいた。
なので、柚子に誘われた時は飛び上がる程嬉しかったに違いないだろう。
下駄箱で履き慣れた靴に履き替え、校門を目指すと三人の固まって立っていた。
一人は挙動不審になっていて、一人はカバンを前に抱え込むように持って、一人は眼鏡を中指でクイッと上げた。
悟はあれに違いないと確信し、焦る気持ちを抑えながら一歩一歩近付いていった。
挙動不審の子がこちらの方に手を振っている。
柚子の言っていた後輩とはあの子らしい。
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