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制服を見るかぎり、挙動不審はスカートを履いているので女の子、カバンと眼鏡はズボンを履いているので男らしい。
因みに、『男』に『の子』を付けないのは同姓なためちょっと気持ち悪いからである。
男と女の子同時に先輩と呼ばれる日が来るなんて……。
悟は緩む口角を堪えながら歩く。
ニヤニヤしながら近寄ってくる先輩となんか、仲良くなりたくないだろう。俺も嫌だし。
すると、挙動不審の女の子が手を振りながらカバンを持たずに、尚且つ満面の笑みで猛ダッシュしてきた。
それに気付いた男二人組は、女の子の分のカバンを持って同じく走ってきた。
柚子「嫌な予感がする……」
柚子がボソッと小さく呟いたのが聞こえた。
そして、女の子は五メートル手前で豪快に転んだ。
アスファルトで舗装され、障害物の無い道を豪快に前から転んだのだ。
悟「えぇ!? こけたぁ!? 何もない所で!?」
柚子「あぁ……当たっちゃったよ……」
柚子の嫌な予感と言うのは見事に当たってしまったらしい。
驚く悟を余所に、柚子は女の子の元まで歩き、しゃがむと「大丈夫かぁ?」と、言いながら頭を叩いていた。
後ろから走ってきた男二人組の眼鏡は、呆れたように溜め息を吐き、
もう一人の女の子の分までカバンを持った男は、しゃがんだ柚子のスカートをジッと見ていた。
嫌な予感がした。
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